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高森明勅
2020.12.23 06:00皇室

上皇陛下のお誕生日

12月23日は、上皇陛下の87歳のお誕生日。
心からお祝い申し上げると共に、幾久しくお健やかに、
穏やかにお過ごし下さることを、祈り上げる。平成の御代(みよ)を
振り返る緣(よすが)として、謹んで御製(ぎょせい)一首を掲げさせて戴く。

上皇陛下にとって、天皇として最後の歌会始となった、
平成31年にお詠みになった御製。
お題は「光」。

贈られし
ひまはりの種(たね)は
生(は)え揃(そろ)ひ
葉を広げゆく
初夏(しょか)の光に

平成17年1月。
阪神・淡路大震災10周年追悼式にお出ましになられた。
その時、遺族代表の少女からヒマワリの種を贈られた。
それは、震災で犠牲になった小学6年生の加藤はるかさんの自宅跡に、
震災の年の夏に生えたヒマワリの種で、地元の人達にとって大切な“鎮魂と
復興の象徴”とされていた。

上皇陛下は、それを御所の庭に蒔(ま)かれて、大切に育てられ、
毎年、丹念にそれを繰り返されて、十年以上を経(へ)た平成最後の夏にも、
明るい日射しの中、見事に葉を広げたことを詠まれた。
そこには、震災から立ち直った地元の人々へのお励ましのお気持ちも
託されているだろう。

更に、地元にとどまらず、広く辛い境遇にある国民に、
立ち上がる為の勇気と希望を与えようと願われているようにも、
拝される。

上皇陛下が国民にお寄せになる、お優しく誠実な、
お慈しみのお心が伝わる。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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